全歌一覧

2021-03-17

ア行

お会いするのが一夜も間をあけられぬほど愛し合う仲であるならば昼間であろうと蒜のにおいがしようとどうしていたたまれない気になりましょう。

表の歌意:強風をふせいでくれた木が枯れたのでそれ以来、小萩の身の上が心配でなりません。どうか若宮のことをお願いします。
裏の歌意:宮中を揺るがす嵐で娘が亡くなってからというもの帝は平静さを失ってしまわれた、どうか若宮のことをもっと気にかけて下さい。

そうでなくても虫が鳴きしきる草深いこの侘しい鄙の宿に ますますもって涙の露を置いてゆく雲の上からの使者よ

つらい思いを心ひとつにしまってきました、今度こそ君と手を切りしまいにすべき折りです

床の塵を払い人待ちしてさえ訪れなく袖も涙で濡れています、伴寝する喜びを知った常夏の花なのに、本妻からは脅され激しい嵐まで吹き加わって、いよいよ秋が到来し、あなたが飽きて去って行く季節ですね。

カ行

生不生は運命が決するもの、別れる道に来た今こうもわたしは悲しいのに、死出の旅を目指すのはこのはかない命なのです。

雲の上といわれる宮中からさえ涙で見えない美しい秋の月、どうして澄んで見えようか、草深い里では涙にかき濡れさぞ住みづらかろう。

人目も木の葉も枯らしてしまう木枯らしに、合わせてお吹きになっているようなはげしい笛の音を、ひいてとめさせる琴も言葉も持ち合わせておりませんわ。

琴の音もよく月もさしこむ申し分ない宿なのですから、これまでつれない夫をひきとめて来たのでしょうね。

サ行

咲き混じれば大和撫子も唐撫子も美しさこそいずれを甲乙つきかねますが、やはりわたしには常夏の花が一番です、子は頭を撫でただけですが、あなたは床で撫であった仲なのですから。

蜘蛛が巣作りするそのふるまい方で私がまた来ることはすでにわかっているはずの夕暮れだというのに、蒜(ヒル)のにおいが消えるまで昼間を待ち過ごせと言うとは理屈にあわぬではないか。

鈴虫が羽を振り 声を限りに鳴くごとく長い秋の夜を泣き通しても 流れつづける涙ですこと。

タ行

亡き人を尋ねゆく幻術士はいないものか直接は無理でも、道士を通しそこにいたのかと魂のありかが知れように。

あなたのつれなさにむけてまだまだ恨み言も言いたりないのに、もはやしののめ時となって鳥たちまでが取るものも取り合えぬくらいに急き立てているようだ。

指を折り二人で過ごした思い出を数えてみると、この一回切りだったろうか、あなたのことでつらい目を見たのは、別れることになってもよもや恨んだりはできまいね

ナ行

ハ行

マ行

この身のつたなを嘆いても嘆いてもことたりないうちに明けてしまった夜は、わたしも鳥の鳴き声にかさねて声を立てて泣いたものです。

宮城野のように我が子から遠く離れた宮中で吹いては露をむすぶ風の音を聞くと、野にある小萩のことが涙ながらに思われてならない。

ヤ行

山がつの垣は手つかず荒れるとも、折りあるごとに愛情をそそいでくださいな、あなたが撫でてかわいがってくださらないから、撫子は露にまみれて泣きじゃくっていますよ。

ラ行

ワ行

2021-03-17

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